「もう少し様子を見てから相談しよう」、「仕事が落ち着いたら対応しよう」
そう考えている間に、犯人を特定する唯一の手がかりである「アクセスログ」が消滅し、永久に特定不可能になってしまうケースが多発しています。今回は、このシビアな「タイムリミット」についてご紹介します。
このページの目次
1 「ログ」には保存期間がある
犯人特定の手がかりとなる「IPアドレス」や「タイムスタンプ」といった通信記録(アクセスログ)。これらは、プロバイダ(通信会社)のサーバーに永遠に残っているわけではありません。
プロバイダごとに保存期間は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
①携帯キャリア(docomo、au、SoftBankなど):約3ヶ月
②固定回線プロバイダ:約3ヶ月〜6ヶ月
つまり、書き込みが行われてから3ヶ月が経過すると、特定できる可能性が激減します。
「3ヶ月」というのは、弁護士を探し、契約し、裁判所に申し立てを行い、開示命令が出るまでの期間を考えると、極めて短い時間です。
2 「書き込み削除」の罠
被害者心理として、「まずは目障りな書き込みを消したい」と考え、サイト管理者に削除依頼を出すことがあります。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
サイトによっては、「記事データを削除すると同時に、サーバー上のアクセスログも消去される」仕様になっている場合があります。投稿を削除したがために、いざ犯人を訴えようとした時には証拠(ログ)が残っていない、という事態になりかねません。
犯人特定を希望する場合は、削除依頼を出す前に、必ずログの保全(発信者情報開示請求)を先行させる必要があります。
3 投稿から時間が経ってしまった場合
「もう3ヶ月以上経っているから無理でしょうか?」というご相談もいただきますが、決して諦める必要はありません。以下の可能性があります。
①ログイン型サービスの場合:最近のログイン履歴が残っていれば、そこから特定できる可能性があります。
②プロバイダによっては長期間保存している:一部のプロバイダでは、6ヶ月以上ログを保存している場合もあります。
4 今すぐやるべきこと
この記事を読んでいる今、誹謗中傷の書き込みからどれくらいの時間が経過しているでしょうか? もし数週間以内であれば、急いでください。1ヶ月以上経っているなら、一刻を争います。
まずは以下の2点を確保し、すぐに弁護士へ連絡することをお勧めします。
①URL(書き込みがあるページの厳密なアドレス)
②投稿日時などがわかるスクリーンショット(PDF保存が望ましい)
「時間切れ」で泣き寝入りすることだけは避けましょう。

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