近年、SNSや匿名掲示板でのプライバシー権侵害の問題が増えていますが、知人間でも意図せず発生してしまうケースが少なくありません。
万が一、プライバシーを侵害されてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。本日は、具体的な対処方法についてご紹介いたします。
このページの目次
1 まずは当事者間での冷静な話し合いを行う
知人によるプライバシー権侵害は、悪意がなく行われることが多いため、感情的にならずまずは冷静に対応することが大切です。
①直接連絡して削除を依頼する
例えば、許可なく投稿された写真や個人的な情報がSNSにアップされている場合、投稿者に対して「申し訳ないけど、この投稿は削除してもらえますか?」と丁寧に依頼することから始めてみましょう。
②誤解を解消する
相手は「問題ないだろう」と軽く考えていることが多いため、こちらの気持ちや事情を説明し、理解を求めることが重要です。
2 運営会社やサイト管理者に削除を依頼する
当事者間で解決できない場合や、連絡が取りづらい場合は、以下の手順で対応することが考えられます。
①SNSでの対応『通報機能を利用する』
InstagramやFacebook、Twitter(現X)などのSNSでは、不適切な投稿に対して「報告」や「通報」機能が用意されています。写真や個人情報の無断投稿に該当する場合、運営側に削除対応するように検討を促します。
②匿名掲示板での対応『投稿削除依頼』
掲示板の管理者に対して、不適切な投稿の削除を依頼します。
特に匿名掲示板では、削除依頼フォームが用意されていることが多いです。
3 発信者情報開示請求を検討する
匿名掲示板やSNSで誰が情報を公開したのか分からない場合は、「発信者情報開示請求」を行うことで投稿者を特定することが可能です。
①投稿の証拠を保存する
該当する投稿のスクリーンショットやURLを保存し、証拠として残しておきます。
②弁護士に相談する
プロセスが複雑なため、弁護士を通じて手続きを進めることもお勧めいたします。
③裁判手続を利用して発信者情報開示請求を行う
インターネットプロバイダや掲示板運営者に対して、発信者情報の開示を請求します。
4 予防策『プライバシー侵害を未然に防ぐために』
トラブルを防ぐためには、日頃から以下のことを心がけましょう。
①SNSの設定を確認する
個人情報が外部に漏れないように、プライバシー設定を見直し、公開範囲を限定しましょう。
②知人との共通認識の醸成
写真や個人情報を共有する際には、必ず事前に許可を取ることを習慣にしましょう。
③投稿内容に注意する
たとえ善意であっても、他人の情報をネット上に公開する場合は慎重に判断することが大切です。
5 親しき中にも礼儀あり、知人のプライバシーの取扱いにも注意しましょう
知人間でのプライバシー権侵害は、軽い気持ちや認識の甘さから引き起こされることが多いものです。万が一、被害を受けた場合は、まずは冷静に削除依頼や話し合いを行い、それでも解決しない場合は法的措置を検討しましょう。