ネット記事のコメント欄での中傷

ニュースサイトやブログなどに設けられたコメント欄は、記事に対する読者の意見交換の場として機能しますが、しばしば匿名での感情的な誹謗中傷が書き込まれる「無法地帯」と化すことがあります。

コメント欄での中傷は、被害者にとっては深刻な被害をもたらしますが、加害者がコメント投稿者である一方、そのコメントを公開しているのは記事の運営者です。

この場合、被害者は「誰に」「どのような法的責任」を問うことができるのでしょうか。

1 誹謗中傷コメントの「投稿者(コメンター)」の責任

投稿者は、自らの意思で誹謗中傷となるコメントを書き込んでいるため、一次的な法的責任を負います。

(1)民事責任(不法行為責任)

投稿内容が名誉毀損、侮辱、プライバシー侵害などの不法行為に該当する場合、投稿者は被害者に対し、慰謝料を含む損害賠償責任(民法709条)を負います。

(2)刑事責任

内容によっては、名誉毀損罪や侮辱罪などの刑事責任を問われる可能性があります。

コメンターの責任を追及するためには、前回の記事で解説した通り、まず発信者情報開示請求の手続きにより、匿名であるコメンターの氏名・住所を特定する必要があります。

2 被害者が取るべき適切な法的対応の流れ

コメント欄での中傷被害に遭った場合、被害を最小限に抑え、責任を追及するための流れは以下のようになります。

ステップ1:証拠保全

コメントのスクリーンショット、URL、投稿日時など、証拠を確実に保全します。

ステップ2:記事運営者への削除請求

運営者に対し、コメントの削除を最優先で要求します。弁護士からの法的通知により、運営者に「権利侵害の事実」を明確に認識させ、削除義務を発生させます。

ステップ3:発信者情報開示請求の検討

削除と並行して、投稿者の特定を目指し、発信者情報開示請求手続きを開始します。これにより、投稿者の氏名・住所を特定し、損害賠償請求の準備に入ります。

ステップ4:損害賠償請求

投稿者が特定できた場合、投稿者に対し慰謝料などの損害賠償を請求します。また、運営者が削除義務を怠っていた場合は、運営者に対しても損害賠償を請求できる可能性があります。

3 まとめ:投稿者・運営者双方への法的対応

コメント欄での誹謗中傷は、加害者が匿名であることや、運営者の責任追及が複雑であることから、被害者が単独で解決することが非常に困難です。

弁護士に依頼することで、投稿者への責任追及と、運営者への削除義務の発生と追及を並行して行う、最も効果的な戦略を立てることが可能です。特に、運営者に対して迅速に法的根拠を示して削除を迫ることは、被害の拡大防止と運営者の責任追及の両面で重要な意味を持ちます。

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