変質又は損傷した輸入貨物の課税価格の決定方法について

輸入貨物の課税価格の原則的な考え方は、現実支払価格をベースとする考え方となります。
もっとも、当該原則的な考え方では不合理な場合には、例外的な算定方法が採用される場合があります。
本日は、輸入貨物が変質又は損傷した場合における課税価格の例外的な決定方法について、ご紹介いたします。

 

1 変質又は損傷した輸入貨物の課税価格の考え方について

輸入貨物の課税価格を関税定率法第4条から第4条の4までの規定により計算する場合において、その輸入取引の条件から見て、輸入申告時までに輸入貨物に変質又は損傷があったと認められるときは、その貨物の課税価格は、変質又は損傷がなかった場合に計算される課税価格からその変質又は損傷があったことによる減価に相当する額を控除して得られる価格となります(関税定率法第4条の5)。

「その輸入取引の条件からみて、輸入申告等の時までに輸入貨物に変質又は損傷があった」とは、輸入契約において取り決められた性質、形状、数量等を基準として、輸入申告等の時までに、その輸入貨物に変質又は損傷が生じたことを指します。
したがって、輸入契約が、貨物が一定の変質又は損傷が生じた場合をも想定して締結されている場合には、関税定率法第4条の5の適用はなく、通常の課税価格の算定方法を用いることになりますので、注意が必要です。

また、「減価に相当する額」の算出にあたっては、公認検定機関等の作成した損害見積書等に記載された損傷部分の評価額、原状回復に要する費用等、合理的でかつ妥当な数値による額を用いることが必要となります。
なお、輸入貨物が輸入の許可目に変質又は損傷した場合には、関税定率法第10条第1項の規定により減税されます。

 

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